霜の朝、グラウンドキーパーは芝生に入らない。冬のグラウンドで起きていること

グラウンズパーソン
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冬の晴れた朝、グラウンドが一面、白く光っていることがあります。霜です。

見た目はとても美しいのですが、グラウンドキーパーにとっては、朝いちばんに判断を迫られる場面でもあります。

「この芝生の上を、歩いてもいいのか」

先に結論をお伝えします。霜が降りている間は、芝生に入らない。 これが基本です。この記事では、その理由と、冬の朝に現場で何が行われているのかをご紹介します。

霜が降りた芝は、なぜ踏んではいけないのか

霜は、晴れて風の弱い夜に地面の熱が逃げ、空気中の水蒸気が葉の表面で凍りついたものです。

霜に覆われた葉は凍っていて、硬く、もろくなっています。冷凍ミカンのようにもろいです。

その状態で踏むと、葉の細胞が傷んでしまいます。踏んだ直後は、見た目に変化がないことがほとんどですが、しばらくすると、踏んだ場所だけが、足跡のとおりに茶色く、黒っぽく変色して浮かび上がります。

  • 足跡の形のまま枯れるため、グラウンドの見た目が大きく損なわれる
  • 冬は芝の成長がゆっくりなため、傷んだ葉が回復するまでに時間がかかる

ほんの数歩のつもりでも、広いグラウンドを横切れば、その跡は長く残ります。

だからこそ、現場では「霜が降りているうちは入らない」というルールが徹底されています。

冬の朝、グラウンドキーパーは何を確認しているのか

霜の対応は、グラウンドに出る前から始まっています。一般的には、次のような点を確認します。

  • 前夜から朝にかけての天気と気温: 晴れて風が弱い夜は、霜が降りやすくなります
  • 実際に霜が降りているか: グラウンドの状態を、目で見て確かめます
  • 霜が融けるまでの時間: 日当たりのよい場所は早く融け、日陰になる場所は遅くなります
  • 地面が凍っていないか: 地面が硬く凍っていると、芝がはがれやすくなりますし、そもそもスパイクが刺さらなくなってしまいます。選手の安全面でも、判断の材料になります

グラウンドの使用をどうするかは、施設やチームの運用によって異なります。ただ、グラウンドの状態を一番よく知っているのは、毎日現場を見ているグラウンドキーパーです。

その判断が、グラウンドを守ることにつながります。

霜が降りた朝は、作業の順番も変わる

霜は、人が歩くときだけでなく、作業にも影響します。刈り込みや機械の走行も、霜が融けてからが基本です。

霜が融けるのを待つ間、グラウンドキーパーは手を止めているわけではありません。例えば、機械の点検や用具の整備、その日の作業の段取り、グラウンドの外の雑草除去といった景観を整えるなどグラウンドに出る前にできる仕事から取りかかります。

天候に合わせて、作業の順番を組み替える。 これも、この仕事の大切な技術のひとつです。

イングランドなどでは、ピッチの下にアンダーソイルヒーティングを搭載していて、霜が降りると思った日の前日には、ヒーティングシステムを稼働させたり、朝一で稼働させて溶かすなどの対策が取られています。

「霜」と「霜柱」は別のもの

冬の朝には、もうひとつ、霜柱(しもばしら)という現象もあります。

霜柱は、地中の水分が凍って柱のように伸び、土を持ち上げる現象です。

地面が持ち上がると、芝の根が傷んだり、融けたあとの地面がゆるんだりすることがあります。霜柱が立つような寒い朝は、地面の状態も注意して見る必要があります。

ちなみに私はまだ見たことはないです。

冬も緑のグラウンドと、茶色くなる芝

「冬のスタジアムは、なぜ緑なのに、うちの近所のグラウンドは茶色いのか」と思ったことはありませんか。

日本の多くの施設で使われている暖地型の芝(野芝やティフトンなど)は、冬になると生育が止まり、休眠して茶色くなります。

冬も緑を保つために、寒さに強い寒地型の芝(ライグラスなど)を上から追い播きする「ウィンターオーバーシード」を行う施設もあります。

秋の仕込みについては、猛暑を越えた芝が、9月に本当に必要としていることでも詳しくご紹介しています。

冬は、次のシーズンの準備の季節

芝の成長がゆっくりになる冬は、グラウンドキーパーにとって、次のシーズンに向けた準備の季節でもあります。機械の整備や、施設の補修などです。

冬の機械整備の面白さについては、グリーンキーパーの冬仕事は「大人のプラモデル」作り!?で、季節ごとの仕事の全体像は、グラウンドキーパーの1年間でご紹介しています。

まとめ

  • 霜が降りた芝生は、凍って、もろくなっています。踏むと、足跡のとおりに茶色く変色します
  • 冬は芝の成長がゆっくりなため、傷んだ跡が回復するまでに時間がかかります
  • 現場では、天気・霜の有無・融けるまでの時間・地面の凍結を、朝いちばんに確認します
  • 霜が降りた朝は、作業の順番を組み替えて、グラウンドを守ります

観客の目には映らない、冬の朝の判断。目立たない仕事ですが、プレーできる状態のグラウンドを守るために、欠かせない仕事です。

こうした仕事に興味を持った方は、ぜひ求人一覧も覗いてみてください。未経験から始められる求人も掲載しています。

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