「ゴルフ場やスタジアムの芝生って、冬は枯れていますよね? 仕事はあるんですか?」
異業種の友人からよく聞かれる質問ですが、そんな時、私は心の中でニヤリと笑ってこう答えます。
「冬? 冬こそが一番楽しい季節だよ」
誤解を恐れずに言えば、冬のグリーンキーパーの現場は、メカ好き・機械好きにとっての「天国」であり「ボーナスタイム」です。
もしあなたが、休日にバイクをいじるのが好きだったり、ホームセンターで工具を見ているだけでワクワクしたり、DIYで何かを作るのが好きなら、グリーンキーパー、グラウンドキーパーという仕事は、まさにあなたのための「天職」かもしれません。
知られざる冬の業務、その「油と鉄の匂い」がする魅力的な世界をご紹介します。
巨大な芝刈り機をメンテナンス
春から秋にかけて、広大なフィールドを走り回り、何トンもの芝を刈り続けた大型の芝刈り機たち。
冬の間、芝生の成長が止まっている時期に、これらを管理棟に入れて「整備」を行います。
これは単なる掃除ではありません。
時にはタイヤを外し、エンジンを点検し、油圧ホースの漏れをチェックし、回転刃のユニットを分解してベアリングを打ち替える…
まるでF1チームのメカニックのように、相棒である機械を自分の手で蘇らせていくのです。
扱う機械も多種多様です。 5連の刃がついた巨大なフェアウェイモア、精密なカットができるグリーンモア、トラクター、運搬車…
それぞれ構造が違う機械たちの仕組みを理解し、「ここが摩耗しているから交換しよう」「エンジンの吹け上がりが悪いからキャブレターを清掃しよう」と手を動かす。
ラチェットレンチを回す感触、グリスの匂い、そして組み上がったエンジンが一発で始動した時の快音。
機械いじりが好きな人なら、時間を忘れて没頭してしまうはずです。
しかも、それが「仕事」として評価されるのですから、たまりません。
0.1ミリのこだわりが生む芸術。「ラッピング(刃研ぎ)」の奥深さ
芝刈り機において、最も重要なパーツは「刃」です。
特にグリーンキーパーが使う「リールモア」という機械は、回転するリール刃と、固定された下刃(ベッドナイフ)が、ハサミのように擦れ合うことで芝をスパッと切り取ります。
この噛み合わせの調整作業を「ラッピング」と呼びます。 専用の研磨剤を塗り、紙一枚が抵抗なくスパッと切れる極限の鋭さまで研ぎ澄ませていきます。
0.1ミリ単位の調整が、春の芝生の仕上がりを左右します。
刃が悪いと、芝生の切り口がボロボロになり、そこから病気が入ったり、見た目が白っぽくなったりします。
逆に、完璧に研がれた刃で刈ると、芝生は宝石のように輝きます。
「俺が研いだ刃で、今年の春は最高のグリーンに仕上げてやる」
自分の技術が、そのままフィールドの品質になる。この職人的なこだわりにハマる人が続出しています。
自分の手で環境を「DIY」する。ここはあなたの秘密基地
冬のグリーンキーパーは、メカニックであると同時に「何でも屋」でもあります。
「コース内のベンチが古くなっているから直そう」 「倉庫の棚が足りないから、溶接して作っちゃおう」 「看板のペンキを塗り直して、かっこよくしよう」
冬の間に、施設のあらゆる場所を自分たちの手で修繕・改良します。
木材加工、塗装、溶接、コンクリート補修…
DIYのスキルが、そのまま仕事の現場で活かせる珍しい業界です。
PCに向かって企画書を作るのではなく、実際に手を動かして、目の前の環境を良くしていく。
「あそこ、俺が直したんだよ」と胸を張れる場所が増えていくのは、とても気持ちが良いものです。
管理棟のガレージで、仲間とコーヒーを飲みながら「次はあそこを改造しようか」と相談する時間は、まるで大人の秘密基地にいるような楽しさがあります。
まとめ:趣味のスキルを、プロのキャリアへ
グリーンキーパーは、植物を育てるだけの仕事ではありません。
機械を愛し、道具を慈しみ、環境を自らの手で作る「クリエイター」でもあります。
履歴書の趣味欄に書いている「バイク整備」や「DIY」。
一般企業ではただの趣味かもしれませんが、芝生管理の世界では「即戦力のスキル」として輝きます。
「手先が器用だね」とよく言われるあなた。 「機械の仕組みを知るのが好き」なあなた。
その才能を、芝生管理というフィールドで活かしてみませんか?
「芝生キャリア」では、未経験者はもちろん、機械整備の経験がある方を求めている求人も多数掲載されています。 さあ、この冬、新しい工具を手に取りにいきましょう。




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