1. はじめに

美しい「芝生」が広がるゴルフ場やスポーツ施設、公園などで働く「グラウンズパーソン」や「グラウンドキーパー」。

彼らがどのような1日を過ごし、どのようにしてあの完璧な芝生を維持しているのか、気になったことはありませんか？

この仕事は、単に芝生を刈るだけではありません。

土壌管理、病害虫対策、機械のメンテナンスなど、多岐にわたる専門的な業務を日々こなしています。

この記事では、グラウンズパーソン・グラウンドキーパーの現場のリアルなタイムスケジュールを追いながら、その仕事内容と魅力、そして大変さについて詳しく解説します。

この職業に興味を持つ方、転職を考えている方にとって、具体的な仕事のイメージを掴む一助となれば幸いです。

2. グラウンズパーソン・グラウンドキーパーの典型的な1日

ここでは、ゴルフ場を例に、グラウンズパーソン・グラウンドキーパーの典型的な1日を見ていきましょう。季節や施設の規模によって変動はありますが、基本的な業務の流れは共通しています。

2.1. 早朝（例：午前5:00〜午前8:00）

多くの施設では、プレーヤーや利用者が来る前に作業を終えるため、早朝からの勤務が一般的です。

•出勤・朝礼・情報共有: 夜間の天候状況や芝生の状態、前日の作業報告などを確認し、その日の作業計画を共有します。特に病害虫の発生状況や機械の不具合など、緊急性の高い情報はこの時間に共有されます。

•芝生の状態確認（露払い、病害虫チェック）: 芝生に降りた露を払う「露払い」を行い、病害の発生を抑制します。同時に、芝生の色や生育状況、病害虫の兆候がないか細かくチェックします。これは、その日の作業内容を決定する上で非常に重要な工程です。

•芝刈り（グリーン、フェアウェイなど）: ゴルフ場のグリーンやフェアウェイ、ラフなど、それぞれのエリアに適した高さで芝刈りを行います。グリーンの芝刈りは、プレーに直接影響するため、特に精密な作業が求められます。

•散水・施肥: 乾燥している箇所に散水を行ったり、必要に応じて液肥を散布したりします。これも早朝に行われることが多い作業です。

2.2. 午前中（例：午前8:00〜正午）

プレーヤーがコースに出始める時間帯です。利用者の邪魔にならないよう、作業場所や内容を調整しながら進めます。

•バンカー均し、カップ切り替え: ゴルフボールの跡を均したり、カップの位置を毎日変えたりする作業です。プレーヤーが快適にプレーできるよう、細部にまで気を配ります。

•芝生の補修・整備: ディボット跡（芝生が削れた跡）の修復や、芝生が傷んだ箇所の補修を行います。また、芝生の成長を促すための目土入れなどもこの時間に行われます。

•機械の点検・清掃: 作業に使用した芝刈り機やその他の機械の点検、清掃を行います。日々のメンテナンスが、機械の寿命を延ばし、安全な作業に繋がります。

•休憩: 早朝からの作業で疲労が蓄積するため、しっかりと休憩を取ります。

2.3. 午後（例：正午〜午後5:00）

午後は、比較的プレーヤーが少ない時間帯や、コース外での作業が中心となります。

•除草・病害虫対策: 雑草の除去や、病害虫が発生している箇所の薬剤散布などを行います。早期発見・早期対応が、芝生の健康を保つ上で非常に重要です。

•樹木・花壇の手入れ: コース周辺の樹木の剪定や、花壇の整備など、景観を美しく保つための作業も行います。

•機械のメンテナンス・資材の整理: 翌日の作業に備えて、機械の本格的な整備や、肥料・薬剤などの資材の整理整頓を行います。

•翌日の準備・日報作成: 翌日の作業計画を確認し、必要な資材や機械の準備をします。その日の作業内容や芝生の状態、特記事項などを日報にまとめ、情報共有を行います。

•退勤: 1日の業務を終え、退勤します。

3. 季節や場所による業務の変化

グラウンズパーソン・グラウンドキーパーの仕事は、季節や働く場所によって大きく業務内容が変化します。

•春: 芝生が休眠期から目覚め、成長を始める時期です。冬の間に傷んだ芝生の補修、新しい芝生の種まき、エアレーション（土壌の通気性を高める作業）など、芝生を活性化させるための作業が中心となります。

•夏: 芝生が最も成長する時期であり、同時に病害虫が発生しやすい時期でもあります。猛暑の中での水やり、芝刈りの頻度増加、病害虫の早期発見と対策が重要になります。

•秋: 夏の疲れが出た芝生を回復させ、冬に備える時期です。施肥、オーバーシード（新しい芝生の種をまくこと）、サッチング（枯れ葉層の除去）などが行われます。

•冬: 芝生が休眠期に入り、成長が止まる時期です。芝刈りなどの管理作業は減りますが、機械のメンテナンス、施設の修繕、来シーズンに向けた準備など、別の作業が増えます。寒冷地では、積雪対策も必要になります。

•ゴルフ場、スポーツ施設、公園: ゴルフ場ではグリーンの管理が最重要視されますが、サッカー場などのスポーツ施設ではプレーヤーの安全を確保するための均一な芝生が求められます。公園では、より広範囲の芝生を効率的に管理する方法が重視されるなど、場所によって管理の重点が異なります。

4. この仕事の魅力と大変さ

魅力

•自然との触れ合い: 毎日、美しい自然の中で仕事ができる喜びがあります。

•達成感: 自分の手で芝生を育て、美しい景観を作り出すこと、そしてイベントを成功させることに大きな達成感を感じられます。

•専門性の追求: 芝生管理の奥深さに触れ、常に新しい知識や技術を学ぶことができます。

大変さ

•体力的な負担: 屋外での重労働が多く、体力が必要です。

•天候の影響: 天候に左右されるため、雨や暑さ、寒さの中でも作業を行う必要があります。

•不規則な勤務: 早朝からの勤務や、イベント時には深夜までの作業が発生することもあります。

5. まとめ

グラウンズパーソン・グラウンドキーパーの仕事は、早朝からの作業、季節ごとの変化、そして多岐にわたる専門業務をこなす、非常に専門性が高く、かつ「やりがい」のある職業です。

日々の地道な努力と献身が、私たちが目にする美しい「芝生」を創り出しています。

体力的な厳しさや天候に左右される大変さもありますが、それ以上に自然と向き合い、自らの手で美しい環境を創造する喜びは、この仕事ならではのものです。

芝生キャリアでは、このような素晴らしい「グラウンズパーソン」や「グラウンドキーパー」の仕事を目指す方を全力でサポートします。

ぜひ、当サイトであなたの理想のキャリアを見つけ、美しい「芝生」と共に未来を築いていきましょう。