グラウンズパーソン・グラウンドキーパーになるには?【代表の経緯】

グラウンズパーソン

皆さんは「グラウンドキーパー・グラウンズパーソン」という職業をご存じでしょうか?今回は、私がこの職業を志すに至った経緯や、実際にどのような道を歩んできたのかについて、お話ししていきたいと思います。

このテーマを取り上げようと思ったのは、現在の社会情勢の中で、やりたい仕事が見つからず、将来に漠然とした不安を抱えている学生の方々——大学生はもちろん、高校生、中学生、小学生に至るまで——が多く存在していると感じたからです。彼らに「グラウンドキーパー・グラウンズパーソン」という新たな選択肢があることを知っていただきたい、そんな思いで筆を執りました。

また、現在社会人として働いている方々の中にも、「サッカーに関わる仕事がしたい」と思いながらも、クラブスタッフ以外の道を見出せずにいる方がいらっしゃるかもしれません。そのような方々にも「グラウンドキーパー」という職業を知っていただき、転職の選択肢の一つとして考えてもらえることを願っています。

今回は、私がグラウンドキーパーという職業を目指すようになった原点と、それに至るまでの道のりについてお話しします。


グラウンドキーパーという職業との出会い

「グラウンドキーパーって何?」——そう思われる方も多いかもしれません。この職業を知っているという方は、おそらく私のSNSやブログをご覧いただいている方でしょう。実際、私自身もこの仕事の存在を知ったのはかなり後になってからでした。

私がこの仕事に興味を持ったきっかけは、中学生の頃。地元にはまともな芝生のグラウンドがほとんどなく、あっても状態の良くないものばかりでした。多くの子どもたちがピッチ状況に不満を漏らす中、私はふと思いました。「だったら、自分が芝生のグラウンドを作れるようになればいいのでは?」——この瞬間が、私の人生の転機でした。


中学〜高校時代:夢と現実のギャップ

しかし当時の私は、芝生のグラウンドを作るためには何を学べばよいのか全く分かっていませんでした。とにかく「植物を学ぼう」と考え、農業系の進路を選択します。

その中で、夢を馬鹿にされるという悔しい経験もしました。進路面談の際に、教師から理解を得られず、やむなく別の理由で推薦を受けて大学へ進学しました。ただ、その一方で親身になって話を聞いてくださる先生もいらっしゃり、すべてが否定的な経験だったわけではありません。


大学時代:視野が広がり、夢が具体化する

大学では農学部に進み、植物全般を学びました。日本にはまだ「スポーツターフマネジメント」という学問分野が存在していないため、私は芝草を含むイネ科植物を中心に研究しました。

余談ですが、欧米にはスポーツターフマネジメント専攻のある大学が存在しており、もしその存在を大学時代に知っていれば、間違いなく留学していたと思います。この点において、日本と欧米のグラウンドキーパーに対する認識の差を感じています。

そんな中、「芝生を管理する立場」か「行政として施設整備に携わる立場」かで悩みました。というのも、日本ではクラブがスタジアムを自前で持つことが難しく、施設の整備は行政が担っているケースが多いからです。

私の決断を後押ししたのは、大学2年生の時に訪れたイギリスでした。プレミアリーグのクラブで働く手段を模索する中で、唯一現実的な道がグラウンドキーパーであると確信したのです。

行政職では海外でのキャリアは非常に限定されてしまいますが、グラウンドキーパーであれば、可能性はゼロではない。そう感じた私は、再び強い気持ちでこの道を進むことを決意しました。

大学では、指導教授の先生が私の想いを理解してくださり、多くのご支援をいただきました。今でも感謝の気持ちは尽きません。


卒業後:夢を現実に変えるステップ

大学卒業後、日本の芝生管理会社に就職し、Jリーグのクラブチームである名古屋グランパスやFC岐阜の練習場における芝生の管理に携わりました。

そして、2022年9月。私はついに、かねてからの夢だったプレミアリーグ・アーセナルのグラウンドキーパーとして新たなステージに立つことができました。

まだまだ学ぶことの多い毎日ですが、この仕事を通じて、日々新しい発見と成長を実感しています。


と、このような感じで自分自身の夢を実現してきました。きっかけは何であれ、このグラウンズパーソン・グラウンドキーパーという職業を多くの方が認知して、それを目指す方が少しでも増えてくれますと幸いです。

そういう思いで求人サイトを立ち上げました。

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